カモミールと聞いたら何を思い出しますか?花よりも“ハーブティ”が先に出てくる人が多いのではないでしょうか。
それほどハーブとして有名な名前ですよね。
でも、花としても可愛らしい姿で香りも良いので、プレゼントにも適した花です。
そんなカモミールの花言葉や効能、育て方や種類などについてご紹介致します。
- カモミールはどんな植物なの?
- カモミールの花言葉
- カモミールとは
- カモミールの効能と使用方法
- カモミールのマメ知識
- カモミールを育てる時の注意点
- 代表的なカモミールの種類
- その他のカモミール
- まとめ
1. カモミールはどんな植物なの?
カモミールはハーブとして有名です。
香りが良いハーブティも、一度くらいは飲んだことがあるのではないでしょうか。
その効能ゆえメディカルハーブとしても古くから重宝されてきました。
植物としては中程度の草丈で、春から初夏に小さな白い花を咲かせる様はとても可憐です。
花姿はほんの3センチほどでマーガレットを小さくしたような、日本の小菊のような清楚な感じです。
原産はヨーロッパで日本には江戸時代末期に渡来し、それ以降ずっと親しまれてきました。
2. カモミールの花言葉
花言葉は、見た目の感じからつけられる場合と、そのものの持つ性質からつけられる場合、また、名前の由来などからのイメージからつけられる場合などがありますが、カモミールはどうでしょうか?花言葉をいくつかご紹介します。
プレゼントにする際などの参考にしてください。
- 「逆境に耐える」
- 「逆境で生まれる力」
- 「あなたを癒す」
- 「清楚」
2-1. 「逆境に耐える」
これはカモミールの強さに由来する言葉です。
可愛い姿からは想像できませんが、風雨に耐えて、踏まれれば踏まれるだけ強くなり地面を這うように繁殖する。
そんな生命力の強さからきています。
2-2. 「逆境で生まれる力」
これも前述と同じ理由からです。
踏まれて、どんどん強くなる様が“生まれる”につながったのでしょう。
例えば受験で大変な方へのプレゼントには良いのではないでしょうか?
香りも良くリラックス効果もあり、花言葉での励ましも素敵ですよね。
2-3. 「あなたを癒す」
カモミールはハーブティにも使われる香りの良い花です。
その香りはリンゴのような甘い香りでリラックス効果・鎮静効果があります。
正に癒しのハーブというところからの言葉です。
2-4. 「清楚」
その花姿からの連想です。
中心のまん丸の黄色を細い白の花びらがぐるっと囲んでいる小さな花です。
その花びらも色も清楚そのものに見えたのでしょう。
3. カモミールとは
カモミールは、キク科の植物です。
花がキクに似ているのはそのためです。
草丈は30〜60センチ程度の比較的寒さにも強い花で、同じような姿と特徴の花をまとめてカモミールと呼んでいるため、花の時期はそれぞれによって違います。
また、一年草・多年草もどちらもあります。
原産地はヨーロッパから西アジアです。
“世界最古のハーブ”とも呼ばれ、薬草として4000年も前から利用されてきました。
古代エジプトでは神にささげる花ともされてきました。
現在でもアロマテラピーやハーブティほか、実用的な効能が色々な場面で活かされています。
- 日本での呼び名
- カモミールの名前の由来
- カモミールの誕生日花の日
3-1. 日本での呼び名
カモミールは日本では「カミツレ」と呼ばれます。
カミツレ入りの化粧品やシャンプーなどを時々見かけますよね。
両方の名前は聞いたことがあっても、同じ植物だと思っていない方も多かったのではないでしょうか?
漢字では「加密列」と書きます。
西洋医学の薬として使用するため、蘭学と一緒に江戸時代に渡来しました。
「カミツレ」はこの時のオランダ語「カミッレ・カミルレ(Kamille)」が変化したものです。
3-2. カモミールの名前の由来
カモミールの名前はギリシア語に由来します。
英語で書くと「Chamomile」、ギリシア語で“大地のりんご”を意味する「Chamaimelon」からつけられました。
カモミールの花の芳香はりんごにとても似た甘い香りですので、そこからの命名です。
3-3. カモミールの誕生日花の日
カモミールが誕生日花になるのは、2月14日・3月14日・11月3日です。
4. カモミールの効能と使用方法
古代バビロニアの時代から、薬草として使われてきたカモミール。
ハーブとしては“マザーズハーブ(母の薬草)”とも呼ばれています。
効能は、消炎・発汗・健胃などが認められ婦人科系の治療にも使われます。
またハーブの古典書には、頭痛・片頭痛に効果を発揮するとの記も見られます。
そして、薬草・ハーブとして使用するにも様々な方法がとられています。
次にその目的と使用方法について、いくつかご紹介します。
- ハーブティにして飲む
- 入浴剤として使う
- 精油(アロマオイル)を使う
- コンパニオンプランツとして使う
- ハーブとして使用の際の注意点
4-1. ハーブティにして飲む
もっとも代表的なのが、お茶として楽しむ方法です。
カモミールティはその香りも合わせた効能で、リラックス効果がありますので神経が高ぶったとき、また落ち着きたい時などに飲むと効果があります。
また安眠効果も高いので、寝る前に飲むのもおすすめです。
また胃にも良く、消化促進作用がありますから胃もたれなどの時にも飲んでみて下さい。
お茶には乾燥した花を使い、熱湯を注ぎ少し蒸らしてから飲みます。
お茶の色は柔らかい黄茶色で、香りはりんごのような、干し草のような優しい香りです。
今はティーバッグのものも販売しています。
4-2. 入浴剤として使う
また、皮膚にも良い効果があるので、入浴剤としても優秀です。
“カモミール(カミツレ)エキス配合”というのを目にしたことはありませんか?
有効成分が肌荒れ、乾燥に効きますし、ニキビにもいいと言われています。
また、発汗・血行を促進しますので婦人科系のお悩みにも効果があります。
蒸気に含まれる成分で気管支・喉にも効果的です。
加工されたものではなく、自然のまま入浴剤として使用する場合は、ドライハーブにしたものを使います。
自然塩と一緒にネットに入れお風呂に入れてみて下さい。
良くもみ出してから温まって下さい。
4-3. 精油(アロマオイル)を使う
カモミールの成分を抽出して作ったアロマオイルは、使用する場合、効果が強いのでほんの1滴ずつで十分です。
アロマディフューザーでの使用はもちろんですが、寝つきが悪いときなどには、ティッシュをたたんだものに1滴たらして枕元におくと効果があります。
また、お湯に1滴たらして顔をすすぐ際に使えば、お肌に良く、シャンプーの際に使えば髪のつやを良くする効果もあります。
4-4. コンパニオンプランツとして使う
“コンパニオンプランツ”とは、そばに植えるだけで、周りの植物を元気にする植物のことです。
そんな効果があるなんてびっくりですが、弱った植物の近くに植えると元気を取り戻します。
弱った苗には直接噴霧する方法も使えます。
また病害虫の予防にもなるので、キャベツや玉ねぎの栽培の際にも近くに植えると良いとされます。
4-5. ハーブとして使用の際の注意点
カモミールはキク科の植物ですので、キク科(ブタクサなど)にアレルギーのある方は使用しないでください。
鎮静効果がありますので、睡眠薬や精神安定剤などとの併用も避けた方が良いでしょう。
また効能が強いので、妊娠初期の方も使用は避けた方が無難です。
5. カモミールのマメ知識
「図書館戦争」はご存知ですか?小説は累計600万部超え、映画は岡田准一さんが主演され、2作品とも大ヒットしました。
近未来の話で、本(図書館)の自由を守る“図書隊”と弾圧しようとする政府との戦いの物語ですが、この“図書隊”のシンボルが「カミツレ」です。
まさしく花言葉の「逆境から生まれる力」にぴったり。
映画中、ヒロインから手渡されるプレゼントがカミツレのアロマオイル。
受け取った時に「カミツレか。
苦難の中の力」というセリフがあります。
図書館でカミツレを鉢植えで育てているシーンもあり、印象深く使われています。
6. カモミールを育てる時の注意点
カモミールはハーブですから、基本的には強い植物です。
また、カモミールは特に踏まれても踏まれても強く育つという花で、どちらかと言えば育てるのは簡単です。
ここでは、育て方の注意点などをご紹介します。
- 土と種まき(植え付け)
- 水やり
- 注意点
- 病害虫について
- 花の収穫
6-1. 土と種まき(植え付け)
1年草の種の種まきは9〜10月の秋に行います。
土は水はけの良い、但し保湿性がある程度あるものを選んで下さい。
肥料は最初に少量で大丈夫です。
非常に細かい種なので、ばらまいて薄く土をかけます。
1週間から2週間で発芽します。
多年草の種の場合は苗を購入して植え付けます。
高温多湿は苦手なので少し育ったら、風通しが良いように適当に間引きます。
風通しを良くすることは花が終わるまで続けましょう。
6-2. 水やり
水はけもある程度は必要ですが、乾燥には弱いので湿度を保つことが必要です。
土の表面が乾いたらたっぷり与える方法であげて下さい。
庭に直植えの場合には必要のないことがほとんどですが、気候によってあまり乾燥がひどいようでしたら適宜あげて下さい。
6-3. 注意点
湿気に弱いので、葉が茂りすぎて重なってくると蒸れにより弱る場合があります。
葉が茂り、重なった部分はマメに切り風通しを良くしておきましょう。
害虫の予防にも役立ちます。
6-4. 病害虫について
アブラムシが付きやすい植物です。
よく観察していて、付いてしまったら数の少ないうちに早めに駆除しましょう。
付きにくい環境にするために、風通しを良くすることも大切です。
6-5. 花の収穫
ドライハーブとして使うためには、花の摘みとりが必要です。
花の中心の黄色い部分が盛り上がってきたら、午前中に花を摘み取りましょう。
摘み取って気になるようでしたら、水洗いし、風通しの良い日陰で陰干しします。
完全に乾いたら密閉容器で保存します。
7. 代表的なカモミールの種類
ここで、カモミールとしてご紹介してきたものはキク科シカギク属の「ジャーマンカモミール」です。
流通も生息も多く、普通カモミールと言えばこちらのことです。
が、もう一つ代表的なカモミールがあります。
それがキク科ローマカミツレ属の「ローマンカモミール」です。
花などはよく似ていますし、大きく違ったところは無いのですがここではその2つについてご紹介します。
- ジャーマンカモミール
- ローマンカモミール
7-1. ジャーマンカモミール
花期は3〜5月の春の花です。
花の中心の中央部分が盛り上がって丸く、花びらが下の方についているのが特徴です。
またこの盛り上がった黄色の部分に強い香りがあり、ドライハーブにします。
ハーブティとしてはこのドライハーブを使います。
花を咲かせたら枯れてしまう1年草ですが、花を摘まなければこぼれた種で翌年も目を出す事が多く、増えていきます。
ドライハーブとして使うために摘んでしまうと、種は出来ませんのでご注意くださいね。
7-2. ローマンカモミール
花期は6〜7月の夏の花です。
黄色い中心と白い花びらは一緒ですが、ジャーマン種と違い中心は盛り上がっていません。
香りは同じくりんごのような香りです。
同じくドライハーブに出来ますが、ハーブティにすると苦みが出るので工夫が必要です。
草丈は低めで、ジャーマン種と違い多年草ですので、グラウンドカバーとしても使えます。
また株で増やすことができます。
最初、育てるには種を使わず、苗を植え付ける方法になります。
8. その他のカモミール
通常カモミールと呼ばれる花についてご紹介してきました。
ドライハーブとして使われるものはご紹介した2種類ですが、カモミールと呼ばれる花には他にも種類があります。
次は他のカモミールについてご紹介します。
- ダイヤーズカモミール
- ワイルドカモミール
8-1. ダイヤーズカモミール
ローマン種と属は同じですが、花びらが黄色いカモミールです。
花期は夏から秋にかけてで全部が黄色いので、咲くと可愛らしい感じです。
ダイヤーとは染料や染物屋のことで、日本名も「コウヤカミツレ」と言います。
“コウヤ”は“紺屋(染物屋)”のことですからそのまま訳したのですね。
この名前の由来は、花を染料に使用することからです。
ドライハーブとして使用はしません。
8-2. ワイルドカモミール
日本では夏白菊と呼ばれます。
草丈は高く夏に花を咲かせます。
ハーブティなどには使いませんが、葉に虫よけの効果があり、ポプリなどにして持ち歩くのも良いとされます。
もちろん庭に直植えしてもその効果はあります。
またアロマオイルの原料として使われることも多いカモミールです。
まとめ
カモミールについて色々ご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?どちらかと言えば花として楽しむよりも、ハーブとしての利用の方が有名な花です。
花言葉はその姿からは想像しにくい、強い性質に由来した勇ましい花言葉でしたね。
また、古来から薬として使われてきただけあって、効能は癒しやリラックスの他にも消炎・健胃・婦人病などにも効き、他の植物まで元気にしてしまうという素晴らしさです。
ドライハーブにするのも簡単ですので、健康のため、美容のためにぜひ育てて取り入れてみて下さい。