ハワイの乙女たちが身に着けるレイ、これに使われている花は何だと思いますか?
真っ赤なハイビスカスを想像する方もいるかもしれませんが、答えはプルメリア。
白くおおらかで美しい花を咲かせる花です。
ハワイではプルメリアが神の宿る花として愛され、いろいろな意味を持っています。
また花言葉も素敵なものをたくさん持っていますよ。
今回は、プルメリアをご紹介します。
- プルメリアとはどんな花?
- プルメリアの花言葉
- プルメリアについて解説
- プルメリアのマメ知識
- プルメリアを育てる時の注意点
- プルメリアの種類
- プルメリアに似た植物
- まとめ
1. プルメリアとはどんな花?
- 学術上のプルメリアと植生
- プルメリアの外見と特徴
1-1. 学術上のプルメリアと植生
プルメリアとは、キョウチクトウ科インドソケイ属に属する植物の一般的な名前です。
ジャンルとしては木になり、落葉樹の品種が多くあります。
花には良い香りを持っています。
熱帯植物ですが1年通して開花します。
またその丈夫な性質から、熱帯の花木を代表する品種とも言え、世界中の熱帯地域でその姿を見ることができます。
乾燥に強く、熱帯植物とは言え乾かし気味であれば0度近い温度でも大丈夫という強い花です。
1-2. プルメリアの外見と特徴
花は肉厚で、5枚の根元が少し重なった花弁を持ちます。
色は白やピンク、黄色など。
単色の花は無く、白ベースの花の中央が黄色になっている複色の花が代表的です。
枝は多肉質で、柔らかく折れやすいのが特徴です。
樹高は高くて1メートルほど。
熱帯の環境下であれば10メートルほどになりますが、日本で育てた場合はそこまで育たないため低木という扱いになります。
その甘くかぐわしい香りは、アロマオイルなどの原料として愛されるほどです。
2. プルメリアの花言葉
プルメリアは、その神々しいまでに美しい花の姿から、素敵な花言葉をいくつも持っています。
どの花言葉も、プレゼントに贈ると喜ばれるような素晴らしい言葉ばかりです。
また、少し雰囲気の異なる花言葉も持っています。
これは、プルメリアにまつわるあるロマンティックな言い伝えがもととなっています。
- 「気品」
- 「恵まれた人」
- 「陽だまり」
- 「内気な乙女」
2-1. 「気品」
プルメリアのその美しい姿、そしてなにより上品で気高い香りから、「気品」という花言葉が授けられました。
おおらかで明るい花なのに、どこはかとなく漂う凛とした様にまさにぴったりの花言葉です。
2-2. 「恵まれた人」
美麗な花、えもいれぬ芳香、そして大変丈夫な性質。
健康でありながら見ほれるほどの美しさも兼ね備えている。
そのような「恵まれた人」に贈るのに最適な花言葉ですね。
2-3. 「陽だまり」
プルメリアは基本的に熱帯の花です。
丈夫で、直射日光にも負けることなく輝かしく咲いています。
そんな姿は「陽だまり」の中の宝石のよう。
その白くきらめく花弁を見れば思わず納得してしまう花言葉でしょう。
2-4. 「内気な乙女」
プルメリアには、ある言い伝えがあります。
それは、「満月の夜明け、朝霧のつゆをまとったプルメリアのレイを作り、好きな人に渡すことで想いが叶う」というもの。
こんな言い伝えから、心に想いを秘める「内気な乙女」という花言葉が付けられました。
3. プルメリアについて解説
プルメリアはハワイで愛されている花で、その美しさや花言葉の良さからも縁起のいい花と言えます。
しかし、英名では不吉な花として扱われる地域も存在します。
また、プルメリアの語源はフランス人の人名です。
中南米を原産とする花ですが、その美しさは17世紀にはヨーロッパに知られていました。
- 英語での呼び名
- 原産地
- プルメリアの名前の由来
- プルメリアが誕生花の日
3-1. 英語での呼び名
プルメリアは英名もそのままプルメリアですが、別名を持っています。
それはテンプルツリー、寺院の木という意味です。
熱帯地方では植生の違いからプルメリアをお寺に植える習慣があり、寺院のそばによくある木なのだそうです。
なお、そのような地方では、プルメリアは日本でいう菊のような花、お葬式を連想させる花です。
死者に手向けることもあり、お祝い事には向かない花とされています。
3-2. 原産地
中南米、カリブ海諸国、熱帯アメリカを原産国とします。
なお、現在は東南アジアやメキシコ、中南米に分布しており、ラオス人民民主主義共和国では国花として扱われています。
3-3. プルメリアの名前の由来
プルメリアの名前は、17世紀のフランス植物学者であるシャルル・プリュミエから取られています。
中米や南米を調査していたプリュミエが発見した植物のひとつが、このかぐわしい香りを持つプルメリアだったのです。
3-4. プルメリアが誕生花の日
プルメリアが誕生花として指定されているのは1月27日です。
4. プルメリアのマメ知識
プルメリアは原産国が中南米ですが、原産国よりもプルメリアを愛している国があります。
それがハワイです。
ハワイではハイビスカスに並んで好まれる花で、ハワイの女性たちが花輪にして身に着ける「レイ」はプルメリアで作ることが多くなっています。
また、プルメリアの甘い香りは、生花以外でも深く愛されてきました。
- 神宿る花、プルメリア
- ハワイでは、プルメリアの五枚の花弁にALOHAを託す
- 頭に飾る時は左右に注意!
- アロマオイルでプルメリアの香りを
4-1. 神宿る花、プルメリア
プルメリアは、ハワイで「神が宿る花」として大切にされています。
プルメリアは女性の魅力を引き出し、また女性を守るものとされているのです。
なお、ハワイ語では「プアメリア」と呼ばれ、「大切な人の幸せを願う」という意味が込められています。
4-2. ハワイでは、プルメリアの五枚の花弁にALOHAを託す
プルメリアは花びらを5枚持つ花です。
ハワイでは、その5枚の花弁それぞれにハワイの挨拶「ALOHA」の意味を見ています。
それぞれ意味とは、1. 「Akahai」優しさ 2. 「Lokahi」協調性 3. 「’Olu’olu」喜び 4. 「Ha’Ha’a」謙虚 5. 「Ahonui」忍耐 です。
ALOHAは、ハワイにおいて万能に使える一番身近なあいさつ。
ALOHAを託されたプルメリアとは、ハワイの人にとってとても親しみのある花なのですね。
4-3. 頭に飾る時は左右に注意!
ハワイでは、プルメリアは頭につける花飾りとしても使われています。
道に落ちているプルメリアを、そのまま拾って耳の後ろに挿してしまうことはとても多いんだそうです。
しかし、その場合は左右に注意が必要です。
なぜなら、未婚者は頭の右、左につけるのは既婚者、あるいは恋人がいるというサインだからです。
パートナーがいる人は、ちゃんと左にプルメリアをつけましょうね。
4-4. アロマオイルでプルメリアの香りを
アロマのエッセンシャルオイル「フランジュパニ」は、プルメリアの香りを原料としています。
その由来は、16世紀のイタリアの貴族フランジュパニ侯爵が作らせた香りに似ているからとか。
甘い香りはたくさんの女性を魅了してきたほか、インドやカンボジアでは神々への捧げものとして宗教儀式にも使われました。
また、現代ではハワイアンコスメにもよく使われています。
なお、インドではプルメリアの香りを入れたお香を「チャンパ」と呼んで使用しています。
5. プルメリアを育てる時の注意点
プルメリアは熱帯植物であるにも関わらず、条件次第では0度近い温度にも耐えられるため日本での育成もできます。
ただし、もちろん寒さに強いわけではないので下準備はもろもろ必要になってきます。
それ以外はとても丈夫で扱いやすく、ガーデニング初心者にもうってつけの花木と言えます。
- 好む環境や土の準備
- 水の量と肥料
- 気を付けたい病害虫
- その他必要な作業
5-1. 好む環境や土の準備
鉢で育てる場合も庭植えする場合も、なにより日光が当たる場所を選びます。
陽の光が不足すると枝だけが伸びるばかりか、花が咲かない場合もあります。
また、強風により痛むことがあるため風当たりの弱い場所を選ぶこともポイントです。
庭植えした場合は10月くらいに堀りあげて鉢に移し、室内の明るい場所におくことで越冬することができます。
土は水はけがよい用土を用意します。
赤玉土小粒7と腐葉土3の配合土などが適しています。
5-2. 水の量と肥料
加湿に弱いため、水のやりすぎには注意します。
鉢植えで育てている場合は土の表面が十分に乾いたことを目安にたっぷりと与えます。
特に冬場はあまり水を与えないよう気を付けます。
湿度が増えることにより、間のびして根腐れしてしまう可能性があります。
庭植えした場合は、根付いたことが確認できればその後の水やりは必要ありません。
肥料は成長期にかけて与えます。
季節としては春から秋、リン酸が多めの置き肥を規定量どおりに施します。
5-3. 気を付けたい病害虫
プルメリアは病気に強く、これといってかかりやすい病気などはありません。
また、害虫も気をつける必要はほとんどなく、カイガラムシやアブラムシが付く程度です。
この場合、見つけ次第捕殺しましょう。
5-4. その他必要な作業
プルメリアは丈夫で生命力が強いため、株が大きくなりすぎることがあります。
この場合、剪定すると花つきが良くなります。
秋ごろ、越冬のため掘り上げ、室内に取り込むタイミングで切り戻ししましょう。
また、越冬中に大きくなりすぎた場合も、庭に戻す前の春ごろに切り戻すのがベターです。
切り戻した場合、すぐに芽は出てくるのですが、すぐに花が開くことはありません。
毎年恒例のように切るのではなく、あくまで大きくなりすぎた場合に剪定をしましょう。
なお、プルメリアはその樹液に毒を持っており、肌についた場合は皮膚炎を起こす可能性があります。
手袋などでガードするようにしましょう。
6. プルメリアの種類
プルメリアは大変品種の多い花です。
そもそも原種が7種類あり、その後改良や突然変異などで1500から1700もの品種があると言われています。
その中でも、一般的な品種を一部ご紹介します。
- プルメリア・オブツサ
- インドソケイ
- セラディーン
- シンガポール・ホワイト
- インディア
- グローブ・ファーム
- ピンクキス
6-1. プルメリア・オブツサ
原種のひとつ。
白地に黄色い中央部の、いかにもプルメリアらしい花をつけます。
花径は7センチほど。
茎頂に散乱状に花を咲かせます。
良い芳香のする、プルメリアの園芸品種の代表的な品種です。
6-2. インドソケイ
原種のひとつ。
原産地はメキシコからエクアドル。
樹高が10メートルほどにも及ぶ、大型の落葉種です。
花はピンクのものが多く、幾多の配合種のもととなっている品種です。
6-3. セラディーン
白地に、大きく黄色が入る華やかな品種。
育てやすく、ガーデニング初心者に特におすすめの品種です。
6-4. シンガポール・ホワイト
プルメリア・オブツサの改良品種。
肉厚で光を跳ね返すほどの白い花弁の中央に、控えめに黄色が入ります。
ハワイの街によく街路樹として植えられている品種です。
そのため、レイもこの花のイメージで語られることが多くなっています。
6-5. インディア
大輪の花をつけます。
色は薄いイエロー、あるいはオレンジ。
花の中央に赤い縞が入り、アクセントになっています。
香りもよく、プルメリア種独特の甘い香りを楽しむことのできる品種です。
6-6. グローブ・ファーム
花の色はピンクパープル。
ピンク色のふちから中央にかけ、白〜黄色と色の変化が楽しめる楽しいプルメリアです。
花もちが良く、鉢でも長く楽しめます。
6-7. ピンクキス
白とピンクが混合した地に、黄色が差し込まれる美しいプルメリア。
ピンクの部分は時間が経つにつれホワイトに変化していくという珍しい品種です。
7. プルメリアに似た植物
プルメリアはその気品に満ちた姿から、そっくりな花というものはあまりありません。
しかし、特徴的な白地に真ん中が黄色、という花と似た花を咲かせる花はあります。
特にキョウチクトウ科の植物の場合、ぱっと見では見分けがつかないようです。
- サンユウカ
- 八重クチナシ
7-1. サンユウカ
サンユウカは、プルメリアと同じくキョウチクトウ科の常緑性低木です。
花は一重咲きで美しい白の花弁を5枚持っています。
熱帯産の植物であること、白地に黄色い色が差し込まれることなどからプルメリアとよく間違われる花です。
花言葉は「清楚」「潔白」「温故知新」など。
プルメリアと比べると、楚々とした印象の花言葉が多いですね。
7-2. 八重クチナシ
アカネ科クチナシ属に属するクチナシ。
この花も、白地の花弁に強い甘い香りを持っています。
原産は東アジアで、一重咲きのものはシンプルな印象ですがその透けない白の花弁と豪華さがプルメリアのようです。
クチナシの花言葉は「私は幸せ者」「喜びを運ぶ」「胸に秘めた愛」「清潔」など。
プルメリアの花言葉とは違う角度から、ウエディングにも喜ばれる花言葉です。
まとめ
プルメリアはその美しい佇まいと素晴らしい花言葉から、結婚式に使われることも良くあります。
そしてなにより、プルメリアのイメージと言えばハワイ。
結婚式のイメージを南国で行う、またはそもそも海外ウエディングでハワイの挙式を行う場合、プルメリアはまさにうってつけの花と言えます。
花の香りも甘く、たくさんのプルメリアで彩られた教会は幸せそのもの。
ぜひウエディングにプルメリアを飾ってみてくださいね。