シュウカイドウという花(植物)の特徴と名前の由来(英語での呼び方・語源)を説明しながら、「シュウカイドウの花言葉とその意味」について紹介していきます。
シュウカイドウの花に関する原産地・開花時期・種類・似た花の参考情報を示して、シュウカイドウの興味深い各種のエピソードも解説しています。
- シュウカイドウとはどんな花なのか?
- シュウカイドウの花言葉
- シュウカイドウについての解説
- シュウカイドウの名前の由来
- シュウカイドウが誕生日花とされている日
- シュウカイドウの種類(原種・園芸品種の特徴)
- シュウカイドウに似た花の特徴・花言葉
- まとめ
1. シュウカイドウとはどんな花なのか?
シュウカイドウ(学名:Begonia grandis)は、シュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニア属)に分類される中国・マレー半島原産の多年草(多年生草本の球根植物)で、日本には江戸時代初期に持ち込まれました。
秋海棠(しゅうかいどう)の和名は中国名である「秋海棠」を音読みしたものです。
瓔珞草(ヨウラクソウ)という和名もあります。
シュウカイドウは「8〜10月」の花期に「淡紅色の花(直径約2〜3センチ)」を咲かせます。
シュウカイドウは「雌雄異花同株」で雄花(おばな)と雌花(めばな)で形状の違いがあります。
2. シュウカイドウの花言葉
シュウカイドウには、以下のような花言葉があります。
シュウカイドウの一般的な花言葉である「恋の悩み」「片思い」「親切・丁寧」「可憐な人」「繊細・未熟」について、関連エピソードや花言葉の解釈も挿入しながら分かりやすく説明していきます。
- 「恋の悩み」
- 「片思い」
- 「親切・丁寧」
- 「可憐な人」
- 「繊細・未熟」
2-1. 「恋の悩み」
シュウカイドウの花言葉は「恋の悩み」です。
シュウカイドウの「海棠(カイドウ)」は、元々古代中国において「絶世の美人・傾城の美女」を象徴していたので、そこから美しい人に恋して悩むという花言葉が生まれてきたのでしょう。
現在進行形で、美しい人(格好いい思い)に対する恋愛に悩んでいる人にはうってつけの花ですが、「恋の悩み」という花言葉に「ロマンティックな恋の想像」を重ね合わせてみるのも素敵です。
好きな人に対する恋に悩んでいる時期は、人生で一番輝いている時でもあります。
2-2. 「片思い」
シュウカイドウの花言葉は「片思い」です。
シュウカイドウの「海棠(カイドウ)」が古代中国で「絶世の美人・傾城の美女」を象徴していたことから、「片思い」という花言葉が生まれました。
片思いと聞くと「恋愛のつらさ・切なさ・苦悩」ばかりをイメージしてしまいがちですが、視点を変えれば片思いの時期というのは、「相手の良い部分・美しい部分」だけを見つめてうっとり陶酔できる時期でもあるのです。
シュウカイドウの花を観賞しながら、「片思いの甘さ・苦さ・素晴らしさ・切なさ」を心ゆくまで味わってみて下さい。
2-3. 「親切・丁寧」
シュウカイドウの花言葉は「親切・丁寧」です。
誰でも「親切な態度+丁寧な言動の相手」には好印象や好意を抱くものですが、シュウカイドウの花は「親切・丁寧」を象徴する愛らしい花でもあるのです。
身の回りにいる親切な人に対してシュウカイドウの清楚で可愛らしい花を贈ってあげてみてはどうでしょうか。
シュウカイドウの花を静かに眺めながら、自分の立ち居振る舞いや日常の言動を振り返ってみて、「自分が丁寧に生きること+丁寧な言動で人と接すること」も心がけるようにしてみましょう。
2-4. 「可憐な人」
シュウカイドウの花言葉は「可憐な人」です。
古代中国では、シュウカイドウの「海棠(カイドウ)」は「圧倒的に美しい人」を象徴していましたから、そこからの連想で「可憐な人」という魅力的な花言葉が生まれたのでしょう。
見ているだけで心がうっとりと満たされるような「可憐な人(大好きな美人・素敵な人)」がいるのであれば、ぜひその可憐な人を思い浮かべながら、シュウカイドウの「ピンク色・白色の可憐な花」を観賞してみて下さい。
シュウカイドウの花と可憐な人のイメージが自然に重なってきます。
2-5. 「繊細・未熟」
シュウカイドウの花言葉は「繊細・未熟」です。
人の目を引く美人には「繊細な感受性」の人が多く、可憐な可愛い人には「未熟なパーソナリティー」の人が多いものです。
シュウカイドウの花はそういった魅力的な美人たちのことを思い出させてくれます。
現在の愛するパートナー、あるいは過去に愛していた人にも「繊細な部分・未熟な要素」があったのではないでしょうか。
あなた自身の繊細さや未熟さも含め、シュウカイドウの花は「人・異性の持つ魅力」を思い浮かべて観賞するのに最適の花なのです。
3. シュウカイドウについての解説
シュウカイドウの「詳しい情報(英語の呼び名と語源・原産地・特徴・エピソード・歴史など)」について解説していきます。
- シュウカイドウの英語での呼び名と英語の語源について
- シュウカイドウの原産地と開花期
- シュウカイドウのマメ知識1:秋海棠の「棠」と「海棠」の元々の意味とは?
- シュウカイドウのマメ知識2:湿気のある半日陰を好む・松尾芭蕉の俳句
3-1. シュウカイドウの英語での呼び名と英語の語源について
シュウカイドウは英語では、「Hardy begonia(耐寒性のあるベゴニア)」と表記しています。
シュウカイドウの属名・学名である「Begonia(ベゴニア)」の由来は、この花をヨーロッパ世界に紹介したフランスの植物学者シャルル・プリュミエ(1646〜1704)が、フランス領アンティル諸島総督だった「ミシェル・ベゴン(Michel Begon)」の名前にちなみ命名した事にあります。
ミシェル・ベゴンはアンティル諸島の植物採集者・研究者としてシャルル・プリュミエをルイ14世に推薦したので、プリュミエは恩義を感じたのです。
3-2. シュウカイドウの原産地と開花期
シュウカイドウは学名を「Begonia grandis(ベゴニア・グランディス)」といいますが、原産地は「中国・マレー半島」になります。
シュウカイドウの開花期は「8月〜10月」で、夏から秋に「淡紅色・白色の清楚な雰囲気の花」を咲かせてくれます。
シュウカイドウは草丈は約40〜60センチで耐寒性に優れているので、半野生化して植生を広げています。
花の外観は清楚で弱々しい感じなのですが、シュウカイドウの花を生命力に優れていて、一度植え付けると次々に株が増えていくという特徴も持っています。
3-3. シュウカイドウのマメ知識1:秋海棠の「棠」と「海棠」の元々の意味とは?
秋海棠(シュウカイドウ)の「棠」とは、古代中国において「山梨(バラ科・落葉高木)」を意味していました。
「海棠(カイドウ)」とはバラ科のカイドウの花を指していますが、中国では古来から海棠の花は「美人の代名詞」とされてきたのです。
中国の唐王朝の玄宗皇帝が寵愛した楊貴妃(ようきひ,世界三大美女の一人)を「海棠」と呼んで評価したこともあったのです。
海棠は古代の中国語の語感としては、「絶世の美女・傾城(けいせい)の美人」をイメージさせるだけのインパクトがあったようです。
3-4. シュウカイドウのマメ知識2:湿気のある半日陰を好む・松尾芭蕉の俳句
シュウカイドウは8〜10月に「淡紅色・白色」の可憐な花を咲かせますが、生態としては湿気のある半日陰を好むということがあります。
耐寒性が強いので、日本の寒い冬を屋外で越すことのできる唯一のベゴニアとも言われています。
シュウカイドウは日本庭園にも似合う清楚な風情がありますが、俳句の世界でも秋の季語として詠まれ、松尾芭蕉も「秋海棠 西瓜の色に 咲きにけり」という俳句を残しているのです。
葉っぱには「シュウ酸」の毒性物質が含まれているので、口に含むことは避けて下さい。
4. シュウカイドウの名前の由来
シュウカイドウ(秋海棠)は元々は中国語であり、バラ科の「海棠(カイドウ)」という植物に似た花を秋に咲かせることから「シュウカイドウ(秋海棠)」と名付けられたのです。
中国南部やマレー半島を原産地とするシュウカイドウは、江戸時代初期(1624〜1643年頃)に日本に渡ってきた秋を代表する花の一つです。
しかし、シュウカイドウはバラ科の「海棠(カイドウ)」とは全く異なる花であり、ベゴニア属(ベゴニアの仲間)なのです。
日本で屋外で育てられるベゴニア属は、シュウカイドウのみと言われています。
- シュウカイドウの和名の「瓔珞草(ヨウラクソウ)」「断腸花(ダンチョウカ)」の由来
4-1. シュウカイドウの和名の「瓔珞草(ヨウラクソウ)」「断腸花(ダンチョウカ)」の由来
シュウカイドウの和名である「瓔珞草(ヨウラクソウ)」の由来は、シュウカイドウの花の垂れ下がっている様子を、仏像の首飾りである「瓔珞(ヨウラク)」に例えたものです。
そのため、瓔珞草にはどこか仏教的なご利益を思わせる独特の響きがあるのです。
「断腸花(ダンチョウカ)」の由来は、中国古来の美人伝説にちなんだものです。
美女が帰ってこない愛する男性をずっと待ち侘びていて、「断腸の思い」で流した涙が美しいシュウカイドウの花に変わったというロマンチックな由来になっています。
5. シュウカイドウが誕生日花とされている日
シュウカイドウが誕生日花とされている日は「8月29日、9月10日」です。
「8月29日、9月10日」が誕生日の人に、シュウカイドウの花言葉である「恋の悩み」「片思い」「親切・丁寧」「可憐な人」「繊細・未熟」などのあなたとの恋愛に悩んでいますといった言葉を添えてプレゼントしてみましょう。
片思いを成就させるパワーにもなってくれる花ですが、自分が恋心を寄せている可憐な人(親切なパーソナリティーで丁寧な立ち居振る舞いの人)に贈ってみても良いでしょう。
6. シュウカイドウの種類(原種・園芸品種の特徴)
シュウカイドウの色々な種類とその特徴について紹介していきます。
シュウカイドウは変異を起こしにくい品種の植物であるため、「白色の花・早咲きの花・赤色の葉裏」以外の品種改良は行われていません。
これらの種類の花言葉はシュウカイドウにちなんで、「恋の悩み」「片思い」「親切・丁寧」「可憐な人」「繊細・未熟」などになります。
- シュウカイドウ
- 白花シュウカイドウ
- 裏紅シュウカイドウ
6-1. シュウカイドウ
シュウカイドウ(学名:Begonia grandis)は、シュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニア属)に分類されるシュウカイドウの原種です。
シュウカイドウはサクラ(桜)よりも色の濃い明るいピンク色の花を咲かせてくれます。
シュウカイドウの葉には「シュウ酸」という毒物が含まれています。
しかし左右非対称で、長さ約20センチにもなるシュウカイドウの大きなハート型の葉っぱは、観賞用としても見ごたえがあります。
シュウカイドウは日本庭園の情趣を高めてくれる花・葉として人気があるのです。
6-2. 白花シュウカイドウ
白花シュウカイドウ(Begonia grandis var. alba)は品種改良を加えることで、シュウカイドウの淡紅色(ピンク色)の花を「白色の花」に変異させたものです。
しかし、白花シュウカイドウは一般的なシュウカイドウ(淡紅色の花)と比較して、生命力・繁殖力に劣っているので一緒に植える「混植(こんしょく)」はやめておいた方がいいでしょう。
ピンク色のシュウカイドウとは一味違う純粋無垢な印象の白色の花を楽しむことができる品種です。
6-3. 裏紅シュウカイドウ
裏紅シュウカイドウは、葉っぱの裏側が「濃い赤色」になるように品種改良されたシュウカイドウの一種です。
花だけではなく葉っぱも観賞用になるシュウカイドウの性質を上手く利用したもので、濃い赤色の葉っぱは非常に強い存在感を発揮してくれます。
日本庭園にも洋風庭園にも、裏紅シュウカイドウは「カラーリーフ」として用いることができます。
7. シュウカイドウに似た花の特徴・花言葉
シュウカイドウに似たシュウカイドウ科の花の特徴・花言葉について紹介していきます。
シュウカイドウに似た花は、基本的にシュウカイドウ科ベゴニア属の「ベゴニア」という名前がつけられている種類の花になります。
- ベゴニア・センパフローレンス
- クリスマスベゴニア
7-1. ベゴニア・センパフローレンス
ベゴニア・センパフローレンス(Begonia semperflorens)はシュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニア属)に分類される一般的なベゴニアです。
「赤色、ピンク色、白色、黄色、オレンジ色、青色、紫色」などのカラフルな花を咲かせてくれます。
ベゴニアは季節を問わずに周年咲き続ける花なので、和名を「四季咲きベゴニア(シキザキベゴニア)」と呼んでいます。
ベゴニアの花言葉は、「片想い」「愛の告白」「親切」「幸福な日々」になります。
西洋の英語の花言葉は「beware(注意する、用心する)」です。
7-2. クリスマスベゴニア
ベゴニアは品種改良が進められていて、色々な種類があります。
茎・根の形態的・機能的な特徴から、「木立ち性ベゴニア・根茎性ベゴニア・球根性ベゴニア」の3つに分類されます。
クリスマスの時期に出荷されることが多いクリスマスベゴニアは、別名を「ローレンベゴニア」ともいいますが、赤い花色が多いことから「片想い」「愛の告白」「親切」「幸福な日々」と合わせて「公平」の花言葉が特に強調されています。
クリスマスベゴニアの開花時期は「11月〜4月」になっています。
まとめ
シュウカイドウ(学名:Begonia grandis)はシュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニア属)に分類される中国やマレー半島が原産の多年草の花で、日本には江戸時代初期に伝わりました。
シュウカイドウはベゴニアの仲間であり、8〜10月の夏・秋に「淡紅色や白色の花(直径約2〜3センチ)」を咲かせます。
シュウカイドウの一般的な花言葉は、「恋の悩み」「片思い」「親切・丁寧」「可憐な人」「繊細・未熟」などになります。
シュウカイドウの花言葉や植物・花の特徴、種類について知りたい方は、この記事を参考にしてみて下さい。