人徳のある人は、誰からも好感を持って受け入れられる人柄のよさを身に付けています。
精神的な道徳性を磨くことで得られた、何とも言いがたい品性が、それらの基盤となっています。
このような人徳のある人には、どんな特徴があるのでしょうか。
- 誰からも好かれ、信頼されている
- 人のために行動できる
- 誰にでも穏やかに、やさしく接する
- 人の気持ちを考えられる
- 人の幸せを素直に喜べる
- 責任感が強い
- 心が広く、思考が前向き
- 判断力がある
- 他と比較しない
- 決して悪口を言わない
- 理解力に優れている
- 人を優先する精神をもっている
- 自分を客観視できる
- まとめ
1. 誰からも好かれ、信頼されている
男だから女だから、中年だから若手だから、といった区別なく、誰にも平等に接し、平等に対応するので、誰からも好感を持って迎えられます。
また、自分は二の次に回してでも、親身になって、目の前の困難や課題を、人ごとではなく、わたくしごととして取り上げ、解決に協力してくれるので、人から受ける人望にも深いものがあります。
2. 人のために行動できる
まさに、「情けは人のためならず」をそのまま当てはめたような行動ができる奇特な一面を持っています。
困っている人を見かけると、見て見ぬふりができない性分で、何かしら力になろうと、自分ができる範囲のことで、手助けできることを試みる行動力があります。
ただし、後の項目で記述したように、確かな判断力や理解力、自分自身をモニタリングする力があるので、自分をなくしてまで、行動するような無意味な行動は起こしません。
3. 誰にでも穏やかに、やさしく接する
人に対する接し方が、常に、公平で、誰にでも同じように対応するので、ここにも信頼を得る理由となる行動の例が見られます。
普通、人と接する時には、相手を見るものです。
服装や足元、肩書きなどを見て、知らず識らずのうちに値踏みをし、それに応じた対応をしています。
部下や後輩であると、気付かない内に、横柄な対応をしている自分に気付くことがあります。
そんな、相手によって態度を変えることもなく、だれにも同じように、やさしく、丁寧に対応します。
4. 人の気持ちを考えられる
人のために行動できるということは、別の見方をすれば、相手の立場に立って、見たり考えたりできると言うことです。
さらに言うならば、相手の立場に立って、その気持ちを考えられるということです。
人のためとはいえ、相手の立場に立って、行動を考えるのですから、さらに、いっそう人望や信頼が集まることになります。
人の気持ちになってとよく言われますが、相手の性別や年齢、生活環境や問題の発生原因、対象者の問題への関わり方と、かなり多面的に思考しなければ、単なる感想でお茶を濁すことにもなりかねません。
5. 人の幸せを素直に喜べる
俗に、「人の不幸は蜜の味」と言って、人は他人の不幸を影で喜ぶような面をもっています。
だから、人の幸せをやっかむことはあっても、同じ気持ちになって喜ぶことは、早々あるものではありません。
それを「よかったね」と、素直に喜べるところが、徳が、あるかないかの違いです。
それも表面ずらだけで対応するのではなく、相手の立場、身になって喜ぶのですから、高度の精神活動です。
6. 責任感が強い
様々なことに対して、強い責任感をもっています。
だから、逆に言えば、軽々しく人のために行動したりはしません。
結果が出せるか、十分思考して、判断をした上での行動です。
口先だけやお世辞程度での交際や行動をせず、責任ある態度でことに臨むからこそ、同じように、信頼や人望を得るわけです。
7. 心が広く、思考が前向き
小さなことや些細な失敗などに一喜一憂するのではなく、少々のことは目をつむるような寛容の心や寛大な心をもっていて、常に、前向きな思考を大切にします。
うじうじと過去にこだわるのではなく、失敗は、明日の前進の一歩にするようなポジティブな考え方を身に付けています。
8. 判断力がある
論理的に物事をとらえたり、事象を正しく理解したりする能力に長けていますので、様々な角度から考えた判断をくだす力量を持っています。
判断力があると言うことは、自己決定力があるということですから、徳のある人は、しっかり自立をしている人でもあるのです。
9. 他と比較しない
我々は、すぐに、他はどうなっているのだろうかと比べたがる傾向にあります。
典型的なものは、持ち物や車、ご主人の勤務先など、どうでも良いことまで、比べます。
そして、口にはしませんが、勝った負けたの判定を下しています。
しかし、徳のある人は、そうした比較を一切しません。
意味のないことだからです。
だが、容易にマネのできることではありません。
10. 決して悪口を言わない
社内では、さすがにあからさまには言わないものの、別の社の友達との会食会などでは、ついつい「ここだけ」と断って、悪口を言うことは多いものです。
しかし、徳のある人は、場所がどこであれ、相手が誰であれ、人の悪口を言うことはありません。
それだけ、心が落ち着いているし、寛大な心をもっていると言えます。
11. 理解力に優れている
思考力同様に、物事を理詰めで理解することに優れています。
正しく理解しているからこそ、判断ができるのであり、前向きの未来思考ができるのだと思います。
何事にも一歩先んじた所に、徳のある人は立っているようです。
12. 人を優先する精神をもっている
人の気持ちが分かるだけでなく、自分より人を先にやるという奇特な面も持ち合わせています。
と言って、一事が万事、人を先にやるという意味ではないのですが、人をかき分けてでも前へとか押し分けて我先にというような狭い心ではないというような意味で、ぬきんでた豊かな精神を持っていると言うことです。
13. 自分を客観視できる
客観的に自分を認識すると言うことは、高度な心の働きです。
外の目で、自分自身の行動や判断をモニタリングするということは、判断や行動のリスクを著しく少なくしますし、評価の観点の精度や評価の有効性なども高まってきます。
メタ認知と呼ばれる心理用語にも匹敵する高度な精神活動です。
まとめ
こうしてみてくると、徳のある人とは、ある面、完成された人と言えるかも知れません。
大事な事は、自己中心ではなく、広くみんなのために動こうという精神が根っこにあることと、誰にでも、公平に、偏見をもたず、真摯に向き合おうとする精神も合わせ持っている人物であるということです。
そんな態度に、人が集まり、信頼と人望が生まれ、さらに島が磨かれていくという構図になっているようです。