「ラブハラスメント」という言葉はご存知でしょうか。
様々なハラスメントの一種で、比較的新しく認識された概念です。
とはいえラブハラの形は、かなり前からあります。
知らずにラブハラの被害に遭っていた人もいそうです。
- 恋愛話が苦痛を与える
- 恋愛には「勝ち組」「負け組」がいる
- 負け組は被害者意識を持つ
- 勝ち組は加害者意識がなくても
- 無意識で下に見ていることも
- 実際にどのように感じているか
- リスクがある恋愛話
- 飲み会で起こりやすいラブハラ
- 若い世代に多いラブハラ
- 恋愛に興味がない人も被害者になる
- 傷つきやすい人がいる
- まとめ
1. 恋愛話が苦痛を与える
ラブハラスメントとこと「ラブハラ」は、恋愛や性に関することで誰かが精神的苦痛を感じた時に生じます。
例えば会社の飲み会で恋愛話が出た時に、その話を聞いたことで社員の誰かが傷ついた場合、それはラブハラです。
恋愛話を傷ついた社員の前で話した人、また話をしたという行為自体もラブハラになります。
2. 恋愛には「勝ち組」「負け組」がいる
なぜ恋愛話をされるだけで、傷つく人がいるのでしょうか。
それは恋愛に関するある構造があるからです。
それは素敵な恋愛をしている人達は「勝ち組」、彼女や彼氏がいない人たちは「負け組」という構造です。
そんなことないと考える人もいますが、ほとんどの人がそう考えています。
社会的な「暗黙の了解」と言ってもいいでしょう。
3. 負け組は被害者意識を持つ
素敵な恋愛をしている人が勝ち組で、パートナーがいない人が負け組だという認識がある社会で、恋愛話をするという行為はどのような結果を招くでしょうか。
「彼女いるの」という質問には「あなたは勝ち組なの、負け組なの」という隠れた意図が入っているということになります。
彼女や彼氏がいない人は「彼女がいません」「彼氏がいません」と答える時に、「私は負け組です」と答えているような感覚になります。
質問者の攻撃により、被害を受けているような感覚になってもおかしくありません。
4. 勝ち組は加害者意識がなくても
一方で、「彼氏いるの」と聞いている人には加害者意識がない可能性があります。
純粋に、彼氏がいるのかどうか、事実確認をしているだけということもあるでしょう。
もしかしたら「彼氏がいないなら、友達を紹介してあげよう」と思って、親切心で質問をしているかもしれません。
例え質問者に悪気はなくても、ラブハラは成立します。
なぜならハラスメント全般は、「受け手の問題」だからです。
例え「彼氏いるの」と質問をした人は善意で、あるいは何も考えていなくても、受け取る側が傷ついたのならラブハラになります。
5. 無意識で下に見ていることも
また「彼氏いるの」と誰かに聞く時に、その人に彼氏がいないことを知っている場合はあきらかに悪意があります。
悪意という言葉が強い場合でも、「下に見ている」ようなニュアンスは入っています。
特に質問者に彼女や彼氏がいる場合は、その図式が如実になります。
6. 実際にどのように感じているか
恋愛をしているかどうかで勝ち負けが決まるという価値観の中では、表面上の会話と、本当の意味が違ってきます。
例えば同級生の女性同士が会話をしたとします。
その時に彼氏がいる女性が「彼氏いるの」と相手に質問した時に「いないよ」と答える時、一見何事もないように見えます。
しかしラブハラの観点で見るとどうなるでしょうか。
彼氏がいる女性「私は素敵な彼氏がいる勝ち組です。
あなたは負け組よね」、彼氏がいない女性「負け組です. ごめんなさい」と見ることができます。
上記の心の中の会話をお互いが共有していることもありますし、どちらか一方だけが認識しているケースもあります。
7. リスクがある恋愛話
悪意がないとはいえ誰にでも恋愛話をする人はリスクが高い行為をしていると言えます。
恋愛を満喫している人が勝ち組で、パートナーがいない人が負け組という社会的な暗黙の了解がある以上、公共の場などで恋愛の話を持ち出すのは危険な行動だと言えるからです。
悪意があって話をする人は別ですが、無言に耐えかねて「楽しそうで無難な話」として恋愛話を切り出すのはやめておいたほうがいいでしょう。
8. 飲み会で起こりやすいラブハラ
最もラブハラが起こりやすい席が「飲み会」と言われています。
ほとんどのみなさんが経験があると思いますが、飲み会が盛り上がっていくと興味が恋愛話に移っていきます。
勝ち組の人にとっては楽しいだけの時間ですが、負け組の人にとっては苦痛な時間なのです。
特にお酒が入って会話にブレーキが掛けられなくなりますから、口調が強くなったり、脅迫的な言動をしてしまう可能性があります。
9. 若い世代に多いラブハラ
ラブハラが起こりやすいのは、比較的若い世代だと言われています。
なぜなら思春期の男女の興味が集中するのが恋愛で、恋愛がみんなにとって強い意味を持つからです。
中年以上の世代が感じる以上に、誰かの恋愛、自分の恋愛に興味を持っています。
恋愛の価値が他の世代よりも高いということは、負け組と勝ち組の光と影も濃くなります。
恋愛の勝ち組になっていれば優越感を感じながら生きることができます。
逆に負け組になってしまえば、強い劣等感を味わうことになってしまうのです。
10. 恋愛に興味がない人も被害者になる
また恋愛にまったく興味がないという人もいます。
興味があっても、仕事や資格取得、趣味に比べれば優先順位がかなり下という人もいます。
このような人が飲み会の席で恋愛話を強要されるのは苦痛です。
本来は仕事の話をしたり、趣味の話をしたいのに、興味のない恋愛話ばかりされるのは耐えられないことでしょう。
さらに「恋愛に興味がないなんておかしい」という考えが社会に共通してありますので、「恋愛をするべきだ」「恋愛に興味がないなんて、どこか考えに欠陥がある」というような捉え方までされてしまいます。
飲み会に参加をして、興味のない恋愛話に付き合うだけでなく、説教までされてしまったらラブハラだと訴えたくなるのも分かります。
11. 傷つきやすい人がいる
恋愛ができないということを、重くとらえる人がいます。
彼女がいる彼氏がいるということには、ルックスや経済的な要因、学歴などの環境的な要因も絡んできます。
恋愛ができないということは社会不適合者であると重く受け取る人もいます。
恋愛話でものすごく傷つく人が世の中にはいることを知っておきましょう。
まとめ
ラブハラスメントの特徴を見てきました。
ラブハラ自体は新しい言葉ですが、実態は飲み会の席などで日常茶飯事的に起きていることです。
誰かが傷つくかもしれないと考えて、やみくもに恋愛話をするのは控えた方がいいでしょう。