「矢面に立つ」という言葉の意味や類語を紹介します。
さらに「矢面に立つ」の使い方や、「矢面に立つ」を使った例文を紹介していきます。
- 「矢面に立つ」の意味とは?
- 「矢面に立つ」の語源や由来
- 「矢面に立つ」の使い方
- 「矢面に立つ」を使った例文
- 「矢面に立つ」理想のリーダー
- まとめ
1. 「矢面に立つ」の意味とは?
「矢面に立つ」という言葉にはどのような意味があるでしょうか。
社会人としてある程度の経験を重ねてきた人は、「矢面に立つ」という言葉の意味を知り、さらにこの言葉通りの行動を取った事があるかもしれません。
一方で「矢面に立つ」という言葉の読み方すら分からない人もいるでしょう。
「矢面に立つ」という言葉は、社会経験を経るごとに、身近になってくる言葉と言えそうです。
そこで、若いうちからでも知っておきたい「矢面に立つ」という言葉の読み方と意味を紹介します。
- 「矢面に立つ」の読み方
- 「矢面に立つ」の意味
1-1. 「矢面に立つ」の読み方
「矢面に立つ」は「やおもてにたつ」と読みます。
「矢面」は「やめん」などと読み間違えてしまいがちです。
「矢面に立つ」は、「やめんにたつ」ではなく、「やおもてにたつ」と読む事を、これを機会に覚えておきましょう。
1-2. 「矢面に立つ」の意味
「矢面に立つ」という言葉には、同様な意味があるでしょうか。
「矢面に立つ」とは、「質問や非難、攻撃などが集中する立場に身を置く」という意味があります。
例えば会社でスキャンダルが起きた時、それが大きなものならマスコミが殺到します。
フラッシュがたかれる中で、会社側を代表した一人の社員がマスコミの前に立ち、質問や非難に真っ向から答える時、その人は「矢面に立つ」という行為をしています。
これほど大きな問題でなくても、イタズラがばれて、先生の前に名乗り出るよう小さな勇気が必要な行動も「矢面に立つ」と言えます。
このように「矢面に立つ:には、「質問や非難、攻撃などが集中する立場に身を置く」という意味があります。
2. 「矢面に立つ」の語源や由来
「矢面に立つ」には、どのような語源や由来があるでしょうか。
そもそも「矢面」とは、敵の矢が飛んでくる正面の場所という意味があります。
戦国時代の合戦や、中国を舞台にした三国志の戦いなどを想像すると、イメージしやすいかもしれません。
そのような、とても危険な「死地」と呼べるようなところに仁王立ちする兵の行動から、「矢面に立つ」という言葉が生まれたとされています。
言葉の攻撃も、もちろん厳しいものがありますが、実際に矢がどんどん飛んでくる場所に立たされるのはむっと辛い行為でしょう。
3. 「矢面に立つ」の使い方
「矢面に立つ」には「質問や非難、攻撃などが集中する立場に身を置く」という意味があります。
そこで、質問や非難が集中しやすい場所、または直接的な攻撃を受けやすい場所に立つ人を見た時に、「矢面に立つ」という言葉を使ってみましょう。
例えば企業のクレーム担当者は、いつでも「矢面に立つ」存在と言えるでしょう。
他の人が矢を浴びずに済むように、まさに「矢面に立つ」仕事です。
また内緒にしていた交際が発覚した時に、ご両親に会いに行くような行動も「矢面に立つ」という言葉で表現する事ができるでしょう。
またドッジボールなどの球技で、敵から狙われやすい場所にあえて立ち、味方を守る役割の人も「矢面に立つ」と呼べそうです。
このように、質問や非難、攻撃などが集中する立場に身を置く人に対して、「矢面に立つ」という言葉を使いましょう。
4. 「矢面に立つ」を使った例文
「矢面に立つ」という言葉を使った例文を紹介して行きます。
様々な場面における、「矢面に立つ」を使った文章を見て、言葉の使い方のコツを覚えて行きましょう。
- 例文1
- 例文2
4-1. 例文1
ビジネスシーンにおける「矢面に立つ」を使った例文を紹介します。
「発注ミスがあり、取引先の担当者が怒鳴り込んできた。すごい剣幕だったので、部内のみなが固まって動けなくなってしまった。そんな中Aさんが担当者の前に走って行き、90度お辞儀してから、批判を浴びた。Aさんは『矢面に立ち』私達と会社を守ってくれた」
この例文に登場するAさんは、まさに「矢面に立ち」会社や部内のスタッフを守ってくれた守護神のような人です。
この一件でAさんは損な役回りをしたかもしれませんが、じわじわとAさんの評価は上がっているはずです。
この会社に不公平が無く、正当な評価をしてくれるとしたら、いつか重要なポストに付くような人物と言えるでしょう。
4-2. 例文2
戦いの場面における「矢面に立つ」を使った例文を紹介します。
「大群が押し寄せてきた。私達の軍勢は敗走で精一杯だ。ここは私達○○隊が、『矢面に立ち』、自軍が逃げ切るまで敵の攻撃を防ぎ続ける必要がある。生きて帰る事はできないかもしれないが…」
「矢面に立つ」はそもそも、上記の例文のようなシチュエーションが生んだ言葉です。
戦いの場面では自軍が敗走する時に、敵と味方の間に立ち、仲間が無事に本拠地まで帰れるようにする役割がありました。
役割とはいえ、あまりにも辛い役回りと言えるでしょう。
降り注ぐ矢の中に立つ兵士の心境は、いかばかりだったでしょうか。
家族のため、仲間のために犠牲になろうという、奉仕の心がこのような行動を取らせたのかもしれません。
5. 「矢面に立つ」理想のリーダー
会社の社長や、飲食店の店長など、組織のリーダーにとって必要な資質はいくらでもあります。
そしてその一つが「矢面に立つ」事ができるという部分ではないでしょうか。
何か不都合な事が起きた時に、自分は責任がないと、部下の陰に隠れてしまうようでは、リーダーとしての信頼を得る事ができません。
いつでも「矢面に立ち」、例え傷つくような言動をされたとしても、他の人に動揺を見せずントラブルを処理できるような人が、理想のリーダーではないでしょうか。
飲食店でお客同士がもめた時、いちばん最初に間に入って仲裁ができる人、他社からのクレームがあれば、いちばんに会社を飛び出し、取引先に謝りに行ける人が「矢面に立てる」リーダーの資質を持った人と言えそうです。
まとめ
「矢面に立つ」の意味や使い方を見てきました。
とても大変な役回りだという事が分かりました。
みなさんも「矢面に立つ」経験が、今後あるかもしれません。
堂々とした立ち姿を見せる事ができれば、周囲の人もみな付いてくるようなリーダーになるかもしれません。