この「振り返る」は、2つの意味のある言葉です。
どちらで使っているかは、文脈から判断する必要があります。
- 「振り返る」の2つの意味とは?
- 「振り返る」のそれぞれの意味の言い換え
- 「振り返る」を使った例文と意味を解釈
- 「振り返る」の英語
- まとめ
1. 「振り返る」の2つの意味とは?
「振り返る」の1つ目の意味は、物理的に「後ろを向く」ことです。
「振り返ると、誰かが追い駆けてきていた」などという使い方で、この用途では難しいことは何もないでしょう。
もう1つは、「過去を回想する」という意味で使う場合です。
こちらの場合、「振り返ると、もっとやれたはずだ」のような使われ方になり、表現こそ全く一緒ですが、過ぎた時間に対して用いています。
上の2つの例のように、文脈からどちらの意味なのかを判断しなくてはいけません。
ですが、その判断に困るようなケースはまずないので、両方の意味さえ覚えておけば問題ないでしょう。
2. 「振り返る」のそれぞれの意味の言い換え
「振り返る」のそれぞれに対する適切な言い換えになる表現です。
この言い換えにすると、どちらの意味なのか考える必要がなくなります。
元々、意味を間違えることはまずない言葉ですが、より確実にその意味だと表現したい時には、これらに言い換えるといいでしょう。
- 「振り向く」
- 「思い返す」
2-1. 「振り向く」
「後ろを向く」という意味で使う場合、この「振り向く」が適した言い換えになります。
「後ろを振り向く」としても構いませんが、「振り向く」ことに「後ろに」という意味が含まれているので、単に「振り向く」とするだけでも一緒です。
2-2. 「思い返す」
「過去を回想する」の方で使う場合には、「思い返す」が使えます。
先の例をこの言葉で言い換えると、「思い返すと、もっとやれたはずだ」となり、同様に過去に対して使う表現です。
「あのことについて振り返ると〜」などと、「振り返る」対象を指定して使う場合も、そのまま「あのことについて思い返すと〜」と置き換えて使えます。
必ず「過去」が対象になる言葉なので、「過去を思い返す」とする必要はなく、「思い返す」だけで使ってください。
3. 「振り返る」を使った例文と意味を解釈
振り返ると使った例文と、その意味の解釈です。
先に挙げたように、それぞれの意味で使っている例文です。
- 「振り返る」を使った例文1
- 「振り返る」を使った例文2
3-1. 「振り返る」を使った例文1
「声が聞こえたので咄嗟に振り返ると、自分のことではなかった」
自分が呼ばれたのだと勘違いして、後ろを向いたところ、その対象が自分ではなかったというシチュエーションです。
実際にこのような形で振り返ってしまうと、恥ずかしい場合が少なくありません。
3-2. 「振り返る」を使った例文2
「振り返って反省するのもいいが、それよりもこれから先のことを考えるべきだ」
過去を反省することも大事ですが、終わったことについて考えていても仕方ないので、それよりもこれからのことが大切だと使っています。
いつもそうだとは限りませんが、多くの場合でその方が有益だと言えるでしょう。
4. 「振り返る」の英語
「振り返る」の英語表現は、“look back”です。
この表現で、日本語の「振り返る」の2つの意味で使うことができ、“When I look back, he was there. ”で、「私が振り向くと、そこに彼が居た」と表現できます。
“Looking back, there was no way. ”と使うと、「思い返してみると、無理があった」となり、こちらは「思い返す」の方で使っている例になります。
まとめ
「振り返る」は、2つの意味で使える言葉です。
そのどちらなのかの解釈は文脈を見れば簡単なので、間違えることはないでしょう。
また、英語でも、同じく1つの言葉で同様の2つの意味で使えるところが面白いと言えるかも知れません。