「薬石効なく」とは、「病気(疾患)に対して色々な種類の薬・治療法で手を尽くしたが、その効果なく亡くなってしまった」を意味する言葉です。 「薬石効なく」の「意味・使い方と注意点・例文と解釈・類語(シソーラス)や言い換え・英語と解釈」などについて、詳しく説明していきます。
- 「薬石効なく」とは?意味
- 「薬石効なく」の表現の使い方・使うときの注意点
- 「薬石効なく」の語源
- 「薬石効なく」を分解して解釈
- 「薬石効なく」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「薬石効なく」の類語や関連語
- 「薬石効なく」の英語と解釈
- まとめ
1. 「薬石効なく」とは?意味
「薬石効なく(やくせきこうなく)」という表現は、身内の死亡通知や訃報(ふほう)などで使用される定形的な言い回しで、「病気(疾患)に対して色々な種類の薬・治療法で手を尽くしたが、その効き目が得られず亡くなってしまったこと」を意味しています。 「薬石効なく」というのは、「あらゆる薬・治療法で病気を治そうとしたが、効き目がなく(力及ばず)亡くなった」ということを意味する言葉なのです。
2. 「薬石効なく」の表現の使い方・使うときの注意点
「薬石効なく」の表現の使い方は、「病気を治すために薬・治療法で手を尽くしたが、願い叶わず亡くなってしまった場合」に使うという使い方になります。 「薬石効なく」という言葉は一般的に、遺族・身内の者が故人と交流のあった人たちに「死亡通知・訃報の伝達」をする場合に使われる定形的な表現になっています。
- 注意点
2-1. 注意点
「薬石効なく」の表現を使う時の注意点は、「実際に故人の世話(治療法の選択)をした遺族・近親者・関係者が使うべき言葉である」ということであり、「故人の治療に関係していない第三者(他人)が使うべきではない」ということになります。 それは第三者(他人)が「薬石効なく、逝去されました」というと、「家族親族が選んだ薬・治療法に効き目がなかった(間違っていた)」という批判的なニュアンスに聞こえてしまう恐れがあるからです。
3. 「薬石効なく」の語源
「薬石効なく」の語源は、「古代中国の東洋医学(漢方医学)における石鍼(いしばり)・鍼灸(しんきゅう)・漢方薬(かんぽうやく)の手を尽くしても、効き目がない」ということにあります。 「薬石効なく」の語源は、「西洋医学の薬・手術の効果がない」にあるのではなく、「東洋医学の石鍼・鍼灸・漢方の生薬の効き目がない」にあるのです。
4. 「薬石効なく」を分解して解釈
「薬石効なく」という言葉を、「薬石」と「効なく」に分解してそれぞれの意味を解釈します。
- 「薬石」
- 「効なく」
4-1. 「薬石」
「薬石(やくせき)」という言葉は、「薬と石(石鍼・いしばり)」のことを意味しています。 「薬石」の「石」というのは、一般に「古代中国の石鍼の治療法(器具を用いた治療法)」を意味していますが、「禅宗で飢え・寒さを紛らわすために抱いて寝た温石(おんじゃく)」を意味しているという説もあります。 「薬石」というのは、「あらゆる薬剤と治療法」のことを意味する言葉なのです。
4-2. 「効なく」
「効なく(こうなく)」という言葉は、「効果がない・効き目がない」ということを意味しています。 「薬石+効なく=薬石効なく」という言葉は、「あらゆる薬・治療法を試してみたが、その効果がなく」ということを意味しているのです。
5. 「薬石効なく」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「薬石効なく」を使った例文・短文などを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「薬石効なく」を使った例文1
- 「薬石効なく」を使った例文2
5-1. 「薬石効なく」を使った例文1
「先日より入院治療しておりました厳父が、薬石効なく1月18日に逝去しましたのでお知らせ致します」 この「薬石効なく」を使った例文は、「先日より入院治療しておりました厳父が、色々な種類の薬・治療法を尽くしても及ばず、1月18日に亡くなりましたのでお知らせします」ということを意味しています。
5-2. 「薬石効なく」を使った例文2
「薬石効なく永眠した母の遺志を引き継ぎ、未熟者ではありますが私がこの会社の経営に当たらせて頂きますので、よろしくお願い致します」 この「薬石効なく」を使った例文は、「あらゆる治療法・薬(手当て)の甲斐もなく永眠した母の遺志を引き継ぎ、未熟者ではありますが、私がこの会社の経営に当たらせて頂きますので、よろしくお願いします」ということを意味しています。
6. 「薬石効なく」の類語や関連語
「薬石効なく」の類語・関連語について、分かりやすく解説していきます。
- 「手を尽くしたが叶わず」
- 「努力の甲斐なく」
- 「治療法(薬)の効果を得られず」
6-1. 「手を尽くしたが叶わず」
「薬石効なく」の類語・関連語として、「手を尽くしたが叶わず」があります。 「薬石効なく」という言葉は、「あれこれ手を尽くしてみたが、治癒の願いは叶わず亡くなってしまったこと」を意味しています。 その意味合いから、「薬石効なく」の表現は、「手を尽くしたが叶わず」という関連語に言い換えることができるのです。
6-2. 「努力の甲斐なく」
「薬石効なく」の類語・関連語として、「努力の甲斐なく(どりょくのかいなく)」があります。 「薬石効なく」という訃報・死亡通知で使われる表現は、「できる限りの努力をしたが、その甲斐なく亡くなってしまったこと」を意味しています。 そのため、「薬石効なく」と良く似た意味を持つ類語(シソーラス)として、「努力の甲斐なく」を上げることができます。
6-3. 「治療法(薬)の効果を得られず」
「薬石効なく」の類語・関連語として、「治療法(薬)の効果を得られず」があります。 「薬石効なく」という言葉は、「色々な種類の治療法・薬剤を試して手を尽くしてみたものの、その効果を得られずに亡くなったこと」を意味しています。 その意味合いから、「薬石効なく」の表現は、「治療法(薬)の効果を得られず」という関連語に言い換えることができるのです。
7. 「薬石効なく」の英語と解釈
「薬石効なく」という言葉は、“in spite of all medical aid”(あらゆる医学的支援にも関わらず)や“medicine did not work”(医療・治療の効き目なく)、“no medical treatment having proved effective”(効果を証明できた医学的な治療法がない)という英語で言い表すことができます。
- “In spite of all medical aid(treatment
7-1. “In spite of all medical aid(treatment
7-1. “In spite of all medical aid(treatment), she died of cancer in her home hospital.” この「薬石効なく」という言葉を用いた英文は、「薬石効なく、彼女は故郷の病院でガンで亡くなりました」ということを意味しています。
まとめ
「薬石効なく」という言葉について徹底的に解説しましたが、「薬石効なく」には「病気(疾患)に対して色々な種類の薬・治療法で手を尽くしたが、その効き目が得られず没してしまった」という意味があります。 「薬石効なく」の類語(シソーラス)・言い換えとしては、「手を尽くしたが叶わず」「努力の甲斐なく」「治療法(薬)の効果を得られず」などがあります。 「薬石効なく」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。